金は保有しているだけでは課税されません。
一方で、売却したり市場売却受託サービスを利用して金銭で返還を受け、その結果利益が生じた場合には、その利益額に応じて課税対象となります。
一般の個人が金の売却や市場売却受託サービスにより得た利益は、原則として譲渡所得として確定申告が必要です。
なお、申告が必要となるケースでは、保有期間の長短によって課税方法が異なるため、この点にも注意しておきましょう。
【利益が出た時の税金】
保有していた金・金貨を売却したり、市場売却受託サービスで金銭の返還を受けて利益(差益)が生じた場合は、取引の実態に応じて「譲渡所得」「雑所得」「事業所得」のいずれかで取り扱われます。
一般的には、会社員など営利目的の継続取引に当たらないケースは譲渡所得、営利目的で反復継続して売買している場合は雑所得、業として行っている場合は事業所得に区分されます。
【課税される譲渡所得金額のケーススタディ】
給与所得者などが金・金貨を売却または市場売却受託サービスにより金銭返還を受け、利益が出た場合は譲渡益となります。この譲渡益は他の対象となる譲渡益と合算し、年間50万円の特別控除の範囲までは差し引きできます。
控除枠を超えた部分が譲渡所得となり、他の所得と合算して総合課税の対象です。
なお、課税計算は保有期間によって異なります。
●『短期譲渡(保有期間が5年以内)』
課税対象額 = 譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除
例)3年前に100万円で取得した金を、200万円で売却/市場売却受託サービス利用(=譲渡価額)
200万円 -(100万円+0万円)- 50万円 = 50万円
●『長期譲渡(保有期間が5年超)』
課税対象額 = {譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除}× 1/2
例)10年前に100万円で取得した金を、200万円で売却/市場売却受託サービス利用(=譲渡価額)
{200万円 -(100万円+0万円)- 50万円}× 1/2 = 25万円
※いずれも、手数料がかからない重量区分で取引した前提の例です。
【課税される雑所得金額のケーススタディ】
「事業として」ではないものの、営利を目的に継続的に金取引を行っている場合は雑所得として扱われます。
計算式は次のとおりです。
課税対象額 = 総収入金額 - 必要経費
※売却や市場売却受託サービス利用に伴う利益の課税取扱いの詳細は、国税庁ホームページで最新情報をご確認いただくか、所轄の税務署へお問い合わせください。
