金投資のメリット・デメリット– Pros-Cons –

金が持つ固有の性質は、そのまま投資の強みになります。
世界情勢が揺らぎ、株価下落や紛争・テロなどの不安が高まる局面では、「安全資産」を求める資金が金に流入しやすく、結果として価格が上昇に振れやすい――この“逃避需要”が金の特長です。

一方で留意すべき弱点は為替の影響です。
国際的にドル建てで取引されるため、日本での円建て価格はドル/円の動きに左右されます。
イメージとしては輸入品と同様で、円高(円の価値上昇)のときは国内金価格が下がり、円安(円の価値下落)のときは国内金価格が上がる傾向があります。

メリット
  • ①希少な実物資産で供給量に上限があり、価値がゼロになりにくい
  • ②国や地域を問わず広く通用する共通の価値尺度である
デメリット
  • ①国際取引の基軸通貨(主に米ドル)の影響で、円建て価格は為替変動に左右されやすい
  • ②保有しても利息や配当などのインカムが発生しない

「ドルコスト平均法」により価格変動リスクを軽減

毎月一定額で積み立てる方式では、価格が高い月は少量を安い月は多めに購入することになります。いわゆるドルコスト平均法により取得単価が平準化されるため、短期的な値動きにポートフォリオが振り回されにくくなり、価格変動リスクを和らげる効果が期待できます。

定額に加え“スポット購入”も選べる

毎月の積立に加えて、余裕資金があるときや価格が下がったと判断したときにスポットで買い増しすることも可能です。Webや電話で任意のタイミングに追加購入でき、運営会社によっては「当日スポット購入」や「月間スポット積立購入」などの方式が用意されています。当日スポットなら、その時点の店頭価格で希望金額分を購入でき、購入タイミングを自分で調整できます。

一方、月間スポット積立購入は、特定の月に任意額を追加できるため、定額買いのメリットとスポット買いの機動性を併せ持つ方法です。日々の値動きが気になる方でも取り入れやすい選択肢と言えるでしょう。

現物の保管は運営会社が管理

純金積立は現物ベースの購入ですが、保管業務は運営会社が担います。自宅保管の盗難リスクや、銀行貸金庫の契約といった手間を避けられる点がメリットです。

現物の保管は運営会社が管理

積み立てた金の受け取りには複数の方法があります。

≪1≫金地金での現物引出しや、市場売却受託サービスを利用した金銭での返還が可能です。

≪2≫運営会社によっては金貨での返還に対応している場合があります。

純金積立のデメリット

年会費や手数料などのコストがかかる

自宅で現物を保管するだけであれば保管料は不要ですが、純金積立では年会費や積立購入手数料といった運用コストが発生します。ただし、運営会社によってはスポット購入の手数料がかからない設定が用意されている場合もあります。

取引所のようなリアルタイム売買はできない

金価格は常に変動していますが、株式や金ETF(上場投資信託)のように取引時間中のリアルタイム約定は行えません。純金積立は運営会社が公表する店頭小売価格での売買となる点を理解しておく必要があります。

長期前提なら“弱点”は相対化できる

長期前提なら“弱点”は相対化できる

純金積立は長期保有を前提とする商品設計のため、ドルコスト平均法により取得単価が平準化され、リアルタイム売買ができない点は致命的な不利になりにくいと考えられます。 また、年会費や手数料といったコスト面も、自宅保管のリスクや貸金庫の費用・手続きと比較すれば、許容できる範囲と捉える方が少なくありません。

さらに、月間スポット積立購入で手数料がかからないケースや、積立対象をプラチナ・銀へ切り替えられるなど、運営会社ごとにサービス内容は異なります。開始前には各社の条件をよく確認し、自分の運用方針に合致するかを見極めてください。